今年度の共通テスト、英語の総単語数は6338でした。
ここ数年、大学入試に関して
「例年より簡単だった」
というのはほぼ聞きませんね。(国語は例外)
高校生は
「自分が受けるときはもっと難しい可能性がある」
というのを覚悟して勉強に取り組む必要があります。
ところでwpmというものをご存じでしょうか?
words per minuteの略で、一分あたりに読める単語量を示します。
下記サイトに詳しく載っており、各学年ごとに測定できるので中学生や高校生は是非やってみてください。
昔英語が得意だった保護者の方がやってみても面白いかもしれません。
ちなみに私も大学入試バージョンを声に出してやってみたところ162wpmでした。
ネイティブの方は200以上らしいので、私もまだまだですね。
(黙読だったら200以上いけたんじゃないかなという言い訳はとりあえず置いといて)
しかし、お伝えしたいのはそこではありません。
高校生の平均は75wpmと言われています。
そのスピードで読むとこの共通テスト、制限時間80分で85分かかります。
読むだけです。
解く時間は含まれません。
そうです。
普通に読んでいただけではとても終わらないのです。
3000語から6000語超へ
20年前のセンター試験は3000語と少しでした。
この20年で倍になっているわけですね。
「センター試験の英語はそんなに難しくなかったし、共通テストも普通に勉強していれば8割とれるでしょ」
と、ご自身の経験からお考えの親御さん世代の方がいらっしゃたら、そこは改めた方がいいと思います。
いかに速く正確に大量の英文を読み解くか、はもちろん必須の能力です。
加えて、しっかりと情報を処理し、適切に設問に解答する力が求められます。
かつての塾生で
「こんなの英語力じゃなくて、ただの情報処理能力じゃないですか!?」
とぼやいていた生徒がいましたが、気持ちは分かります。
的を射ていると思います。
(文句を言いながらも本番では8割以上取れましたが)
さらに小学校で英語が正式科目になったこと、教育指導要領改訂等を考慮すると、
今後の大学入試共通テストは
難しくなることはあっても文章量が減ったり、簡単になったりすることはないだろうと思います。
高校生はもちろん、中学生も語彙力を少しずつでも培わなければなりません。
「あとからまとめて覚える」というのは不可能です。
文法を正確に理解し、意味を取り違えないことももちろん重要です。
それらが出来てようやく長文読解のスタート地点に立てます。
「ひたすら長文問題に取り組めばいい」わけではないので注意が必要です。
大学入試英語の今後
今後は「共通テスト英語の解き方」のようなテクニックが開発されていく気がします。
つまり
「全部読まないでここだけ抑えれば大丈夫!!」
のようなものです。
合格がかかっている以上、そういったテクニックを追求するのは当たり前ですし、私も有用なものがあれば柔軟に取り入れていきたいと考えています。
しかし、それは最終調整のようなものであって、基本をおろそかにしていい理由にはなりませんし、裏技的な解き方は危険もはらみそうです。
結局、現役の中高生は地道にwpmを上げていくしかないのかなと思います。
高2生もまだ1年ありますし、高1生、中学生はさらに時間があるわけですから。
英語だけでなく他の教科も難しくなっていて、
「現代の子は大変だな」
と感じますが、だからこそ塾の果たす役割も大きくなっているのだとも思います。
少しでも勉強に苦しむ方の負担を減らせたり、力を貸せたりできたらいいなと願いながら、
まだ終わっていない入試に向け最後まで全力を注いでいきます。
個別指導塾 栄伸館塾長 小西啓太